ここ四、五年のあいだに書いた小説以外の文章は、いつか相当の量に達した。
これは、そのうちから文学に関するいっさいを除いた文集で、もとより評論と呼ばれるべきものではない。
といって高遠な思索や瞑想にも縁遠い雑多さで、エッセイと称するにも憚りがあろう。
いえば閑談(コオズリイ)というところで、年少時、私の最も愛したエッセイ集は、
その名手アナトオル・フランスの『エビキュールの園』だが、いま久々にその本を取り出してみると、
なんという違いようだと苦笑するほかはない。(あとがきより)
状態: ビニールカバーに少痛み・汚れ。帯ナシ(おそらく元々無いものと思われます)。三方にシミ・ヤケ・汚れ。。
出版社: 潮出版社
著者: 中井英夫
発行年: 1974年 初版
定価: 1000円
ページ数: 236ページ