どこから吹いてくるのか、烈風は徐々に風速を強め、世界の諸都市は次々と崩壊の一途をたどった。
巻き上がる砂塵、猛威をふるう風、人々は抗すすべもなく
食料と飲料水をたずさえて地下壕での生活を始めた。建物は倒壊し、砂嵐が襲う。
波浪は海岸地帯をなめ、河川は涸渇し、火災が頻発する。
世界はいずこからともなく吹き募る東風の前に屈しようとしている。
科学は、自然の猛威の前に膝を屈するのか!
「沈んだ世界」「燃える世界」「結晶世界」の前駆的作品として鬼才J.G.バラードが放った長編処女作。
※こちらの書籍は、文庫本です。
状態: 並下 帯ナシ。カバーにシミ・スレ・剥げ・傷。本体にシミ・ヤケ。
出版社: 東京創元社
著者: J.G.バラード
翻訳者: 宇野利泰
発行年: 1986年 7版
定価: 360円
ページ数: 257ページ
シリーズ: 創元推理文庫 SF