子供の目にしか見えぬ女の人や聖画に糸を吐く蜘蛛、
犯罪を見抜く南国の占い師──
斬新な着想と美しい比喩が織り成す幻想短篇集。
異界と現し世を自在に行き交い、読者を迷宮へ誘う極上の語り。
「結ぶ」―問答無用で縫われ、丸められていくからだ。
「湖底」―十三年前から、待ち合わせはいつもすれ違い。
「川」―大作家と挿絵画家の密かな交流を見続けてきた眼。
「蜘蛛時計」―ロシア革命に翻弄される男と聖像画に糸吐く蜘蛛。
「心臓売り」―人間に生まれつきそなわるL本能とD本能とは。
ほか、全十四篇収録。
2008年6月現在
版元品切れ、もしくは絶版。
状態: 並下 帯ナシ。カバーに折れ跡・ヨレなど傷みがあります。
出版社: 文芸春秋
著者: 皆川博子
発行年: 1998年 初版
定価: 1850円
ページ数: 273ページ