作家ジェラード・ソームは、ある出版社かっらエズマンド・ダンリイについて書くよう依頼されていた。
ダンリイは1832年に84歳で死んだ名うての放蕩者で、淫らな日記を残し、詩人バイロンや数学者ガウス、
思想家ルソーとも交友のあった才能ある作家だった。早速、彼はダンリイの日記などを探しはじめた。
入手した『ヒュームの論破』を繙くと彼は時代に先駆けた近代精神の持主でもあった。
ダンリイの末裔である二人の姉妹が所有していた『旅日記』には不死鳥の図案が入っていた。
それは、男女の交接の極みにおいて神の啓示が得られるという教義を掲げた異端宗派『不死鳥教団』の象徴だと分かった。
彼は、淫行にみちあふれたその教団とどんな関係があったのか?その不可解な死因は?
追求が進むにつれてソームにダンリイが取り憑きはじめた。
ダンリイの精神は世紀を越えて甦ったとでもいうのだろうか?そうだとしたら、一体なんのために?
状態: 並 帯ナシ。カバーにスレ・小傷・縁に傷み・破れ。
出版社: サンリオ
著者: コリン・ウィルソン
翻訳者: 大滝啓裕
発行年: 1980年 初版
定価: 580円
ページ数: 472ページ
シリーズ: サンリオSF文庫